2017年神奈川県公立高校入試「理科」の問題解説と講評

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みなさん神奈川県公立高校入試学力検査お疲れ様でした。
 
みなさんすべてが終わってホッとしていますよね?
僕も今年の受験生を無事送り出すことができてほっとしています。
 
合格するようにあとは祈るのみです。
 
 
はい、前置きはこの辺にしといて、昨日書いた数学の記事に引き続いて、
先日行われた理科についても自分で解いて分析してみました。
 
ということで、今回は 
平成29年度の神奈川県の理科について問題解説・講評を書きたいと思います。
 
 
今年はどうだったのか?みなさん気になりますよね?
僕個人の見解となりますが、書いていきたいと思います。
 
こちらの東京新聞のサイトから2017年の神奈川県公立高校入試の各教科の問題・解答へ飛べます。
 
また、2017年の数学に関しても書いていますので、よかったらこちらからどうぞ。
 
 
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1. 2017年神奈川県公立高校入試 理科の問題構成

 
まずは今年の問題構成から行ってみましょう。
 
 
問1 物理小問集合(計9点)
問2 化学小問集合(計9点)
問3 生物小問集合(計9点)
問4 地学小問集合(計9点)
問5 運動とエネルギー(計16点)
問6 化学(還元、質量変化)(計16点)
問7 食物連鎖(計16点)
問8 地震・地層(計16点)
 
 
2017年の入試は以上の問題が出題されました。
 
いつも問5〜8の問題の予想を大まかに立てているのですが、割と当たっていましたね。良かったです。
(問6は外しましたが…)
 
 
今年もポイントは問題をよく読む、実験をきちんと理解する、この二つがカギとなったのではないでしょうか?より深く分野の理解をすることが必要となりました。
 

2. 問題レベルは去年、おととし、3年前よりはかなり易化かな

 
僕的には、去年、おととし、3年前の難易度からしたらかなりカンタンな問題が多かった印象でした。
 
特に問1~4の小問集合の難易度のレベルが大幅に下がりました。
知っていればできる知識問題が増え、理科難化の象徴だった問題文から読み取るデータ処理系の問題が一つも出なくなりました。
 
 

指導要領が変わってから5年の神奈川県理科の入試を見てきて、

・問題を読んで理解しないとできない問題が多くなっている。
・暗記だけでできる問題はもちろんのこと、思考力を要する問題が多くなっている。
 
 
ことです。
最初の難易度に比べると、神奈川県立入試理科はだんだん易化していることもあり、理科の知識をちゃんと覚える、それを利用した問題を解けるようにする。
 
 
これをやるだけで、今年は7~80点ほどは取れますよ。 
 
 
理科の勉強をするときは暗記だけではなく、上記の2点を常に意識して勉強すること。
いま中2の人はそれを1年間続ければ、必ず神奈川県公立高校入試 理科を解く力はつくはずですよ。
 
以下の記事に理科の勉強方法について書いてあるので参考にしてみてください。
 
 

3. 問題別講評

 
ここからは問題別で講評をしていきたいと思います。
 
問1〜4の小問集合は気になった問題をピックアップし、問5〜8は大問ごとで解説していきたいと思います。
 

3.1 小問集合(問1〜問4)

 
去年、一昨年にくらべたら小問集合はかなり難易度が下がりましたが、問題文をよく読むっていうことをしないと解けない問題はちらほらありましたね。
 
例えば、問1(ウ)
 
aとbとの距離を短くした → 音が高くなる
基準の音にしたい → 音を低くすればよい → 弦の張り弱くし、振動数を下げる
 
3が答えでした。
問題文が読めない子はaとbとの距離を短くし~というところからこういうことが読み取れません。こちらが言えばそっか~ってなるんですが、自分でやらせてみると出来ないんですよね。
 
 
問2(ア)(イ)(ウ)は完全に知識問題。
どれも知っていれば解ける問題なので、ラッキー問題でした。
 
 
問3(ア)も一見すると、「え~アブラナのどこががくとか花弁とか覚えてないよー」となりますが、これは絵から読み取るのではなく、文章から読み取れる問題なんですよね。
 
 
エの文に注目してみると、「柱頭、やくなど~が集まるつくり」と書いてあるので、おしべ・めしべの両方に相当します。よって、この時点で選択肢が1か3かに限定することができます。
 
さらにウの文で、「昆虫が乗るのに適した形をしている。」と書いてあることからおそらく花弁、よって1と分かりますね。
 
 
問3(イ)(ウ)、問4(ア)は知識問題なので飛ばします。
 
 
問4(イ)は満月の日から1週間後の話をしています。
月は4週間で地球の周りを1周しますので、図を書いてみると、1週間後は1/4周することになります。
 
それはまさに下弦の月ですね。下弦の月が南中する時刻は朝なので、午前6時です。(図を書くと分かりますよ)
 
よって、この二つを満たす6が答えとなります。
 
 
問4(ウ)では、実験①~③の実験がBに関すること、実験④~⑤がCに関することでしたね。
実験①~③では初めからふたは閉めているので冷やしたり、温めたりすることでペットボトルの温度変化を見ています。
 
実験④~⑤では④の実験で、ペットボトルの内側をぬるま湯でぬらした=ペットボトル内に水を入れた=ペットボトル内の水蒸気量が増えた
 
ということなので、空気に含まれる水蒸気量を変化させて温度変化させ、くもるかくもらないかを見ています。
 
よって、実験①~③がB、実験④~⑤がCなので、5が答えですね。
 
 
また今年は、問1~4で計算させる問題がまったく出題されなかったのが易化の要因なのではないかなと思います。
 
 
 
このように、 
理科は暗記の教科ではありません。
暗記力、思考力と国語力を総合的に教科使っていかないと出来ない教科なんだということを頭に入れておいて欲しいです。
 

3.2 問5は運動とエネルギー

 
今年の問5には運動とエネルギーが出題されました。
この問題から考えさせる問題が増えましたね。
 
 
(ア)は「糸を引いているとき=力を加えているとき」の台車の運動なので、もちろん一定の割合で速さが増加する2が答えです。「糸を引いているとき」という言葉に注目できたかがポイントでした。
 
 
(イ)は計算ですが、超簡単なので飛ばします。7.6cm÷0.1秒=76cm/sですね。
 
 
(ウ)はグラフから考えさせる問題でした。グラフを見ると、A,B,Cまでは比例していますよね?それに対し、Dのテープを見ると明らかに上昇量が少ないです。
よって、Cまでは糸を引いていたが、Dからは糸を離したことが分かります。
 
また、糸を離した瞬間から台車は斜面を降り始めるわけがないので、答えは1となります。
 
 
(エ)が神奈川県立入試理科の難しさの象徴となっている実験から仮説、結果を立てて考察させる問題です。
 
 
このような問題が出来るようになることがベストでしょう。
 
 
(エ)の問題文を読むと、実験1,2で力学的エネルギーは変わらないと言っている。
同じ力&同じ距離を引いていることから、実験1の台車の方が高い位置にあることが分かります。
 
よって、位置エネルギーは実験1>実験2です。
しかし、力学的エネルギー保存の法則があるので、運動エネルギーは実験1<実験2となります。
これらから問題を解くことができますね。
 

3.3 問6は中2化学の還元・質量変化計算

 
 
今年の問6には還元・質量変化計算が出題されました。
 
 
(ア)は簡単なので飛ばします。
(イ)の問題は、計算でしたね。
 
酸化銅と炭素の反応は以下のようになります。
 
2CuO+C → 2Cu+CO2
 
CuO 4g、Cは0.15g、図2のグラフを読み取ると、Cが0.15gの時のAの固体(Cu)は3.6gです。
 
 
質量保存の法則を使うと、発生する気体(CO2)=4+0.15-3.6=0.55g
となり、これが答えとなります。
 
 
(ウ)はCuOの質量を4g→5gに変えた実験です。
まずそれぞれの物質の反応比を求めましょう。
図2のグラフより、炭素粉末の量が0.3gのときにちょうど反応していることが分かります。
 
 
これから、CuO:C:Cu:CO2 = 4:0.3:3.2:1.1 = 40:3:32:11
となります。
 
 
これを使うと炭素粉末=0.2gのときちょうど反応するCuO=2.67gなので、CuOが余りますね。
ということは銅の質量はCuO=4gの時と変わりません。
これで5か6にしぼれます。
 
炭素粉末0.6gのときは反応比より、CuO=8gのときにちょうど反応しますからCuO 5gはすべて反応し、CuとCO2を生じます。CuO 5gがすべて反応する時点で銅の質量は増加するので、これで5と選べます。
 
 
銅の質量を一応出してみると、発生する気体の量をxとおくと、CuO:Cu = 5:4 = 5:x
となるので、x=4gとなりますので、たしかに多くなりますね。
 

3.4 問7は食物連鎖

 
2017年は食物連鎖が出題された問7でした。
生物系が出題される問7は問題文が長くなる傾向にあるので、来年度の受験生は長い問題文を読み解くという練習をした方が良いですよ。
 
実験から考えさせる問題。そして問題文をきちんと読んで理解するということ。
 
問1~4ではあまり見られませんでしたが、問5~8では一貫してこのテーマです。
 
 
さてさて問題解説に移りましょう。
 
(ア)は微生物によって分解される有機物のことを示せと言っているので、4の地面に落ちた植物の葉になりますよね。
 
(イ)の問題はまさに「問題文をきちんと読んで理解しないと解けない」問題ですね。
空欄Xの前までの文を読むと、以下のことが分かります。
 
ビーカーA → 土+水+デンプン
ビーカーB → 水+デンプン
ビーカーA,Bにヨウ素液を加える → Aは変化せず、Bのみが青紫色に変化するので、
 
Xに入る言葉は「デンプンのりの分解の原因が水である」となりますね。
 
 
(ウ)の問題は鉱物が原因かもしれないと先生は言っているわけですね。
空欄Yの前文までの問題を読むとこんな感じです。ビーカーCは熱するため、微生物はいなくなり、鉱物のみが残ります。
 
ビーカーA → 土(鉱物+微生物)+水+デンプン
ビーカーB → 水+デンプン
ビーカーC → 土(鉱物)+水+デンプン
微生物が原因であれば、ビーカーCには微生物がいないので、デンプンは分解されず「変化あり」、鉱物が原因であれば鉱物は存在しているのでデンプンは分解されて「変化なし」となりますね
 
 
(エ)は今までの神奈川県入試にしては簡単でしたが、実験から理解させる意図があったのではないでしょうかね。
問題は簡単で、3日後の図を見てみると微生物cが微生物aを侵食しているので、答えは4の微生物cは微生物aの増殖をさまたげているですね。
 
 

3.5 問8は地震・地層

 
今年の問8は予想通り地震・地層が出題されましたね。
ここの大問は(ウ)が少しめんどくさいだけで他はそんなに難しくなかったです。
その(ウ)もどこかの模試で出てた形なので、ちゃんと復習していればできるかと思います。
 
 
問題に移っていきましょう。
 
(ア)は知識問題なので省略します。
 
(イ)は地震は同心円状で広がることと、AとBの同心円の間にKさんの家があることから震度4から5弱の間となりますね。
 
(ウ)は計算問題ですね。
まず、緊急地震速報が出た時間は地点AのP波が到着してから4秒後なので、14時30分11秒です。
 
問題はKさんの家で緊急地震速報が出てから主要動が始まるまでの時間です。
次に主要動であるS波の速さを出しましょう。
 
S波の速さは、地点A,Bで見ると、(75-45)km÷(23-13)秒=3km/s
と出ます。
 
Kさんの家は60km地点の所にあるので、S波が地点AからKさん家にかかる時間は、
 
(60-45)km÷3km/s=5秒となります。
 
よって、Kさんの家で主要動が始まった時刻は14時30分13秒+5秒=14時30分18秒となるため、答えは14時30分18秒-14時30分11秒=7秒
 
となります。
 
最後に(エ)です。
柱状図の問題ですが、ぜんぜん難しくはありません。それぞれの地点で高低差どおりに地層がなっているかを見ればいいだけのことです。
X(220m),Y(210m),Z(215m)なので、X-Y(10m),Y-Z(5m),X-Z(5m)となるはずです。
 
この問題の比べ方で分かりやすいのは、火山灰層に注目することですね。
それで見ると、X-Y(9m),Y-Z(5m),X-Z(4m)となるので、X-Y断層あり、Y-Z断層なし、X-Z断層ありとなります。
 
これを満たした選択肢である1が答えですね。
 

4. まとめ

 
2017年の神奈川県高校入試理科は2014,2015,2016年にくらべて、かなり簡単になったとはいえ、問5~8では思考力を見る問題が中心となりました。
問1~4では知識を見る問題も増えつつあるので、
 
 
・まずは知識問題は絶対に落とさない
・問題文をきちんと読み、どんな実験なのか理解する
・そして知識を活用して思考力を見る問題もだんだんできるようにしていく
 
 
この3点が重要になってきます。
理科の暗記はあくまでスタートラインです。
入試前に忘れている知識や知らない知識があるなんて論外です。(実際にうちの塾にはいましたね…)
それプラスアルファで思考力を鍛えていくようにしましょう。
 
 
思考力や総合力を鍛えたい人はこの全国高校入試問題正解をゴリゴリやることです。
ただ、いきなりこれをやるのはキツイので簡単な基本問題集が完璧になって暗記も万全!という人からやるようにしましょう。
 
 
そして、改めて今年受験した中学3年生のみなさん、学力検査お疲れ様でした!