目次
1. 神奈川県公立高校入試「数学」の構成
2016年度の神奈川県立高校入試の数学は以下のような構成となっています。
あとで大問別でも解説したいと思います。
問1 単純な計算問題 4問 (合計12点)
問2 小問集合 8問 (合計32点)
問3 関数 (合計12点)
問4 確率 (合計12点)
問5 1次関数の利用(速さ&グラフ) (合計10点)
問6 空間図形 (合計12点)
問7 相似の証明 (合計10点)
合計100点
と、このようになっています。昨年度とあまり変わりはありませんが、問5や問4で変化が見られますね。
去年も同じことを言いましたが、超簡単な問題である問1,2だけで合計44点も取れてしまうのです!!
問1,2を取るだけで、100点のうちほぼ半分取れてしまうんですよ。
問2の中でも(ク)(問2の最後の問題)はたしかに難しい問題ですが、それを落としたとしても40点が手に入ります。
2. 問1,2で落とすのは命取り
数学で40点以上が取れないという人はまず問1,2ができていないことが多いです。
問1・2に関しては問2(ク)以外はすべて基本問題です。
そこで、全部取れないというのは本当に入試勉強をしているのか?と疑ってしまうくらいひどいと思っていてください。
数学で40点以下の点数を模試で毎回取ってしまっているという方がいたら、問1・2の練習をひたすらやるべきです。
いや、さすがに問3~7の対策もやらないとダメなんじゃ…
と思う気持ちもわかりますが、40点も取れていないような人が問3~7の対策なんて、やる以前の問題です。
問1・2で分からない問題があるのに、問3~7の問題なんて早いです。
逆に問1・2の問題がスラスラ満点を取れるようになってきたら、様々な分野の基本問題はできるようになったということなので、問1・2の問題ができていない状態よりも確実に問3~7の理解もスムーズにいくと思います。
時間は問1,2で合計10分で解けるようにしておきましょう。
もっと速く行けるよって人はもっと速くてもいいです。
問1,2をいかに速く解くかで思考力を要するために時間がかかる問3~7にかける時間は変わってくるのです。
できてない人もできている人も、とにかくまずは問1,2を完璧にする。
これが神奈川県公立高校入試「数学」を攻略する土台となります。
3. 問3「関数」の出題傾向
問3は「関数」
となっています。
これは指導要領が変わる前後で全く変化がありません。
問3では(ア)(イ)の問題は簡単となっており、(ウ)で急に難易度が上がる傾向となっています。
問3では以下のような出題となっています。
(ア) y=ax2のaを求める問題
(イ) y=mx+nのmとnを求める問題
(ウ)の問題は中位、下位の高校を目指す子は捨てても問題ありません。
実際、昨年度(2016年)の問3(ウ)の問題では、正答率が1.9%でした。
1.9%の問題で合否が分かれるとは到底思いません。
なので、中位・下位高校を目指す子は初めから問3(ウ)は捨てても構わないと思います。
しかし、その代わり(ア)(イ)は絶対に落とさない覚悟をもって問題に取り組みましょう。
そうすることで、問1・2((ク)以外)+問3(ア)(イ)全問正解で、48点取れる計算です。
あとは、それに問4や問6で加算していけば、誰でも6~70点は取れる計算です。
問3の解き方に関しては、以下の記事でもっと詳しく解説してますので、よかったら読んでください。
4. 問4は確率・資料の整理でほぼ確定か
神奈川県立高校入試数学で変化してきているのがこの問4です。
指導要領が変わってからの過去の問4を見てみると、
2016年 問4 確率(図形)
2015年 問4 資料の整理
2014年 問4 確率(整数)
2013年 問4 確率(図形)
となっています。
そして、2015年問4で「資料の整理」だったのが昨年再び「確率」に戻りました。
指導要領が変わってからの神奈川県立入試数学の問4は、単純な確率問題ではなく、図形や整数を絡めた思考力を要する確率問題となっています。
なので、樹形図やカード、余事象などの基本パターンを習得した後は、県トレや全国高校入試問題正解などの難しい問題集を使って対策するのがベストかと思います。
5. 問5は○○の利用・記述系の問題
指導要領が変わってからというもの問5は毎年違う問題が出題されてきました。
指導要領変更初年度(2013年)は「式の証明」に変わり、その後は連立方程式、2次方程式、1次関数と毎年変化しているのが分かります。
ここ3年の問5を見てみると、以下のようになっています。
2016年 問5 1次関数の利用
2015年 問5 2次方程式の応用
2014年 問5 連立方程式の応用
2013年 問5 式の証明
ということは、今年はこれ以外の利用問題、「規則性」か「平面図形」か…
と考えられるわけですが、ハッキリ言って問5の出題傾向に”規則性”はありませんので、今まで出題されてきた式の証明、連立方程式の利用、2次方程式の応用、1次関数の利用が出る可能性は十分にあるんです。
だから、問5対策としてはこういった「○○の利用問題」を大量に解いておく必要があるでしょう。
県トレには昨年度から「活用問題の対策」というページを作成し、対策できるようになっています。
県トレで問5 記述問題の傾向がつかめたら、全国高校入試問題正解でうでだめしをしましょう。そうすることで、記述問題に対する本物の思考力が付きます。
6. 問6「空間図形」の問題対策
問6「空間図形」は三平方の定理が主役の問題です。
これも問3とわりと傾向が似ていて、(ア)(イ)まではカンタンに解けますが、(ウ)でまた難問が出されるため、つっかかってしまいます。
だから、問6の戦略としては、問3と同じく、(ア)(イ)を必ず取る。(ウ)は上位校の子はやるが、中位・下位校の子はやる必要はない。
という感じです。
実際に、2013~2016年入試の問6(ウ)の正答率を見てみましょう。
2016年 3.4%
2015年 0.7%
2014年 1.8%
2013年 11.0%
2013年がだいぶ高い方ですが、指導要領移行期間ということもあり、まだカンタンな方でした(2013年の数学平均点65.5点)。それでも受験者の11.0%しか取れていないというのは上位高校を受ける受験者のための問題ということです。
2015年の0.7%とかはこれは正直上位校を受ける子たちでも解けなくていい問題でした。
補助線引いて、相似の三角形を使う問題でしたが、これを入試で出来る子なんてそうそういないんじゃ…
ということで、問6も(ア)(イ)を落とさない!(ウ)は捨てても構わない!これが必勝パターンです。
7. 問7の相似の証明対策
問7は証明はワンパターンです。
去年と全く同じことを書きますが、
・相似の証明であること
・円が必ずからむ
・使う相似条件は「2組の角がそれぞれ等しい」こと
です。
2014年からの入試を見れば全てこの3つが共通しているはずです。
昨年度(2016年)の問7ではこれら3つは入っていましたが、変化球が入ってきました。
それは、「補助線を引かせて中点連結定理に気づかせる」ということです。
そして、平行線を気づかせて錯角に持ち込んで証明終了でした。
円が絡むからって円周角の定理だけやってればいいわけではなく、このように年々様々な問題を出題して受験者の思考力を試しているような気がします。
もしかしたら神奈川県が今年から3つの傾向を変えてくるかもしれません。
だから、相似ではなく「合同の証明」だったり、円が絡まない証明だったり、「2組の角がそれぞれ等しい」じゃない場合も県トレや全国高校入試問題正解で演習しておくべきですよ。
8. まとめ
神奈川県立高校入試の数学は基本問題+それぞれの大問の(ア)(イ)だけで64点が取れ(問2(ク)は除く)、さらに記述や証明の部分も取れるようにきちんと対策していれば、70点はこえるはずです。
最後のまとめとして、
・問1,2を完璧すること
・大問の(ア)(イ)は簡単(特に問3,6)なので落とさないこと
これさえやれば、間違いなく70点は取れるはずです!
記事を書くのが入試本番の10日前と遅くなってしまいましたが、受験生のみなさん頑張りましょう!!